Q&Aコーナー
Ⅴ、『倫理道徳について』
Q5.「キリスト教の性道徳、結婚観は、もう古いのではないでしょうか?」
A5.まず、道徳に古いものと新しいもの、根本において変わった道徳というものがあるのでしょうか。習俗は変わっても、道徳は変わりません。神様の定められた道徳秩序は、不変だからです。
愛があれば、結婚制度など必要ない、かえって人を縛るものと考える人々は、性とは何か、結婚とは何か、家庭とは何かを正しく理解していないのです。性というのは、単に自分たちがエンジョイするための道具ではありません。むしろ、全人格的なものです。また結婚とは、ただ好きな者同士が、公然と認められた快楽生活を送ることではありません。男として生まれてきた一個の人格と、女として生まれてきた一個の人格とが、結婚によって全人格的に結合して、新しい一人格体としての生存を始めるのです。そこには子供が与えられ、家庭が形作られてゆきます。
好きな者同士が一緒になり、その愛情が冷えてしまえば別れるというのは、自分中心の考え方にしかすぎません。本人たちはそれでいいでしょうが、二人の間に生まれた子供は、どういうことになるのでしょうか。子供には、両親の愛情と理解が必要です。両親が別れてしまった子供が、健全な成長を遂げることはできません。自分たちのことだけ考え、子供への責任を負わないことが、どうして道徳的であると言えるのでしょうか。
新しい性道徳なるものが、どのような形で現われたとしても、それは道徳ではなく、不道徳です。愛さえあれば、二人が何をしてもいいのではありません。結婚式を挙げるのは、単にこの世のしきたりで、世間の承認を受けなければならないからではありません。神様の許しなしには、私たちは、結婚することさえできないのです。神様の許しなしに行われることは、すべて罪です。これが古今東西を通じて変わらない道徳であり、また真理なのです。