Q&Aコーナー

Ⅱ、『キリスト教会について』

Q2.「ユダヤ教とキリスト教会はどこが違うのですか?」

A2.そもそもユダヤ教とは、アブラハム、モーセ、ダビデ、イザヤなどが持っていた旧約聖書の信仰そのもののことではなく、ユダヤ人のバビロン捕囚(紀元前6世紀)以後に形を成した民族宗教なのです。その意味では、ユダヤ教はキリスト教会の前身なのではなく、ユダヤ教もキリスト教会も共に旧約聖書の教えの延長線上にあると言えます。ユダヤ教は、旧約聖書の律法をあれこれ細かく解釈して、その解釈を集大成したタルムードという書物を生み出し、これがユダヤ教の事実上の経典とも言うべきものです。ユダヤ人の選民意識を強調し、律法を解釈された通りのやり方で守れば、来たるべき神の国に入れるとしています。

 キリスト教会の場合は、旧約聖書に書かれた多くの預言(神様の約束)が、イエスというお方においてことごとく成就したと信じています。イエス様はベツレヘムに生まれ、ナザレで育ち、ユダヤやガリラヤの各地を巡って福音を説き、エルサレム城外の十字架上で死にました。しかし、預言されたとおり3日後に復活したのです。イエス様こそ、旧約聖書が預言した救い主、メシヤ(キリスト)なのです。

 しかし、イエス様の説いた教えも大切ですが、それ以上にイエス様ご自身が大切であり、そのなさった働き、特に十字架の死と復活は、私たちの罪のための身代わりの死と復活だったのです。こうして、旧約聖書に書かれた全人類のための救いの道、神様の祝福の約束がイエス様において実現したのです。あえて言うなら、旧約聖書は予告編でしたが、新約聖書は完結編なのです。従って、なお予告編である旧約聖書の段階にいるユダヤ教ではなく、完結編である新約聖書とイエス・キリスト様ご自身こそが求めるべきものなのです。